琉球リハビリテーション学院 作業療法学科ブログ

学校法人智晴学園 琉球リハビリテーション学院 作業療法学科のブログです。作業療法のこと、学院での様子など、いろいろ発信していきます!

作業療法の仕事紹介 ~地域での介護予防~

みなさんこんにちは。作業療法学科教員の中村です。

 

みなさんは、テレビや新聞で「介護予防」という言葉を耳にしたことはありますか?

疾患や障害が発生する前に、若いうちから自分の健康に関心をもち、セルフマネジメントをしていきましょう、そして住み慣れた地域で自分らしく生活をしていきましょう、という考え方です。

近年の研究の結果、健康であり続けるためには、単に心身の機能のみを高めるだけではなく、生きがいや役割を持ち続けることや、社会とのつながりを持っていることの重要性が分かって来ました。

また、専門職が「先生」となって行なわれる活動よりも、地域の住民が「リーダー」となり自主的に運営される方が、継続的、かつ、効果が期待できると言われており、沖縄県内でもこういったグループの立ち上げが積極的に行なわれています。

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写真は、石垣市大浜地区の「100歳体操」の様子です。

自治会長さんが呼びかけ、元々はお店だったおうちに集まり、みんなで体操を行なっています。

椅子を並べたり、体に不自由のある方へのおもりの装着も、すべて自主運営で行なわれています。

市役所の職員、専門職は、グループの立ち上げのお手伝いはしますが、その後は、裏方としてのサポートに回ります。

これまでの作業療法士の就職先は病院や施設が主でしたが、今後、こういった地域で働くことが増えていくと考えられています。

 

先日の地域作業療法学の講義では、地域で行なう介護予防活動について、2年生のみんなと一緒に考えてみました。

 

「みんなのおじいちゃん・おばあちゃんは、どんな活動・テーマに興味をもつ?」という投げ掛けに対しては、野菜を育てて料理をつくる、三線、民謡、ヨガ、昔遊びを子どもに教えて交流する、自分たちで企画したバスツアー、ボーリング、グランドゴルフ

おもしろいところでは、沖縄の薬草を天ぷらにして食べる会などなど、書ききれないくらい沢山のアクティビティが挙がりました。

さすが作業療法士のタマゴのみなさん、地域の「作業」を沢山知っていますね。

 

内心、少し学生さんには難しいかな…と思いつつ出した「リーダーになる住民を育成・支援するにはどうしたらいい?」の投げ掛けに対しては、ネットワークが広い人、役割分担・サポート役を決める、ルールを自分たちで決める、活動の必要性をきちんと理解してもらう、対価があること…など、しっかりとした意見が多数挙がりました。

また、面白いところでは、ポイント制にして貯まると特典がある、といった意見も挙がりました。

単にお金や食べ物ではなく、達成感や充実感といった報酬を上手にからませることも、活動を組み立てるコツになりますね。

今回の講義で学生さん達とディスカッションして、みんなが現場に出てオリジナルな作業療法を展開する日が来るのが楽しみになりました。

 

現在、沖縄県内でも、地域包括支援センターに勤務する作業療法士が徐々に増えてきたリ、自分自身でデイサービス等の事業所を起業する作業療法士も出てきています。

 

そんな作業療法に興味がある方、今度のオープンキャンパスは11/18(土)、ナイトキャンパスは11/22(水)です。

時間を取るのが難しい方は、随時の個別オープンキャンパスも受け付けています。

 

皆様のご参加を心よりお待ちしています。