読書のススメ
みなさんこんにちは。作業療法学科教員の中村です。
先週のナイトキャンパス(オープンキャンパスの夜間開催バージョン)にて、こんな質問を受けました。
「AO入試で早めに入学が決定したら、どんな勉強をしたらいいですか? お薦めの本とかありますか?」
頼もしいですね~。早くも学業への意欲を感じて、とっても嬉しくなりました。
作業療法士の養成校では、どこの学校でも1年時には人体の仕組み(解剖学)、はたらき(生理学)、動き(運動学)といった、基礎的な科目をみっちり勉強します。
もちろん、そういった科目の入門編的な位置づけの本を読まれるのもいいのですが、私は、「ぜひ、当事者の方が書かれた本を読んでみてください」とお薦めしています。
専門的な勉強をしていくと、だんだんと対象者の方の疾患や障がいに目を向けがちになり、その方の「その人らしさ」を忘れてしまいがちになります。
障がいをもたれた当事者の方の思い、願い、苦しさ、希望、これまでの人生…。
たとえ障がいを持たれた方自身が自分の言葉でお話しできなくても、その人の思いを想像することはとても大切だと思います。
作業療法士として対象者の方に出会うタイミングは、決して、対象者の人生のなかでベストなタイミングではない場合も多いです。
だからこそ、当事者の方が書かれた本を手にとってみていただきたいな、と思います。
今回ご紹介する本は、私のお友達である作業療法士の阿部邦彦さんのお父様 阿部廣重さんが、ご自身の脳梗塞の経験を記して私費出版された『脳梗塞を生きる』という本です。
教科書で習う脳梗塞の症状は、当事者の方にとってどんな世界なのか、リハビリやケアの内容やタイミング、声掛けが当事者の方のモチベーションにも大きく関係すること…恥ずかしながら、阿部さんのご著書を読むことで「そうだったのか!」と感じることが沢山ありました。
あんまり内容にふれるとネタバレになってしまいますが、とにかく、ところどころ阿部さんのユーモアにクスリと笑っているうちに、あっという間に読めてしまう、素敵な本です。
個人的に購入させていただいた本ですが、琉球リハビリテーション学院の図書室に早速寄贈しておきますので、ぜひ、お手にとって読んでみてくださいね。