装具、スプリント:これも作業療法です
みなさん、はじめまして。
作業療法学科教員の渡辺と言います。
作業療法は対象が小児から成人~高齢者まで心から頭まで奥が深く、いつも知的好奇心のスイッチが刺激されています。免許取得から17年が経ちましたが、まだまだ知識不足を痛感しては「楽しい」学びの日々です。
さて、今日はタイトルにもある装具やスプリントについての話題です。
皆さんは上記写真の装置をご覧になったことがありますか。これは「義手」と言います。肘から下を病気や事故などの事情により使いにくくなってしまった方に処方されることが多い「前腕義手」と言います。
2枚目は「装具」という道具です。骨折や神経を傷つけてしまったために、指をうまく動かせなくなった方に用いることが多い「上肢装具」と言います。
作業療法ではこれらも仕事の一つでフィッティングから微調整、付け外しの練習など二人三脚でリハビリテーションに励みます。日々の練習が使用する方の人生を左右することもあるのでリハビリも力が入ります。
あるオープンキャンパスで参加学生さんから「学校では装具とかも作るのですか?どういう風に教えるのですか?難しくありませんか」と質問されたことがあります。
実は上記の様な大がかりな義手や装具は「義肢装具士」という専門の方が作ることが殆どです。
では作業療法では何を作るのか?
実は「スプリント」という簡易型の装具を用いてリハビリテーションを行うことが少なくありません。
そして下記は実際に授業で学生が作りました。卒後に寄贈してくれたスプリントです。
細部に雑な所はありますが一生懸命作っていました。
これは骨折や神経のケガのために物をつかみにくくなってしまった方に作業療法場面で実際に作成することがあります。「短対立スプリント」といいます。
難しそうでしょうか。
じつは90分の授業で初めての学生でも楽しく作成できます。実際に上記のスプリントも学生作です。
基は1枚の板状の素材から出来ています。採寸してチョキチョキとカットして何段階か工程を経て上記のスプリントが完成します。
作ってみたくなりませんか?
オープンキャンパスでも体験の日がありますので一度、連絡いただければ実施日をお伝えできるのではないかと思います。
最後に、作る楽しさを学びつつ感じて欲しいことがあります。
目の前で困っている方の状況を把握して(トライ&エラーを繰り返しながら)作業療法の中でどうやって支えていけるのか、常に考え行動できる人になって欲しいということです。
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思いのほか長文になってしまいましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。