地域での作業療法って??
みなさん、こんにちは。作業療法学科教員の中村です。
10月も半ばだというのに、まだまだ沖縄では蝉が鳴き、暑い日が続いています。
さて、私は学院で「地域作業療法学」という講義を受け持っております。
先日、講義で介護保険のサービス類型の話をしていると、学生さんから「地域との交流って、具体的にはどんなことをしているのですか?」との質問が出ました。
いい質問ですね!!
介護保険の中には、入居・入院して受けるタイプのサービスがあります。
そのサービスの中には「運営推進会議」という会議を定期的に開き、事業所のある地域の代表者の方々に情報公開したり、意見をいただくことを定められているものがあります。
私が以前働いていた施設では、この会議に、近隣の大学の大学生の方に参加していただく機会がありました。
そこで、グループホームの食事についてこんな意見がありました。
「献立表を立てて栄養バランスを考えるのはいいと思うけど、普通のおうちでは、立てませんよね…」
なるほど、ごもっともです。
確かに、施設では入居者の方の健康のために栄養バランスを考えた献立を立てることは大事ですが、一方で、一般のご家庭では、冷蔵庫にあるもので作ったり、買い物に行ってお店に並んでいるお買い得なもの、季節のものを使ったメニューを考えたり、ですよね。
この意見をきっかけに、週に1回ではありますが、入居者さんが食べたいものを聞きながら買い物をして、食事をつくるというプログラムを導入し、その随行ボランティアとして大学生の方にご協力いただくかたちとなりました。
実際に最寄りのスーパーに買い物に行った時の場面です。
いつもは「ごちそうさま」と言って殆ど完食したことのない少食な利用者さんが、「どれがお得かな??」と熱心に品定めをしています。
また、買い物中の会話を通じて、得意な料理の話、旦那さんの話…今まで聞いたことのない話題で、会話が弾みました。
これはあくまでも一例ですが、「当たり前の暮らし」が継続できるために、施設が、施設の中で完結してしまうことなく、地域とつながることは大事だと思います。
「施設だから、入院中だからしょうがないよね。」と諦めるのではなく、利用者さんの慣れ親しんだ暮らし方を大事にして、継続できるような支援を行なうことは、作業療法の視点でもあります。
そんな作業療法に興味をもたれた方は、10/17(火)ナイトキャンパス、11/18(土)オープンキャンパスにぜひお越しくださいね。
お待ちしています。